バイデン大統領は24日、重要・不可欠な製品に関する弾力的で安全なサプライチェーンの構築支援に向けた大統領令(EO)に署名した。コロナ禍での医療従事者向け個人用防護具(PPE)の不足、足元での自動車向け半導体チップの不足――などの問題を受け、サプライチェーンリスクの特定と対応を急ぐ構えだ。一部重要製品の供給不足がもたらす結果について警告する超党派議員グループ、業界リーダーなどの要請を受けたもの。長期的な戦略の見直しを行うことで、サプライチェーンの強化に向けた政策提言が可能になるという。
　まず、4つの主要製品のサプライチェーンに対し、100日間の包括的レビューを実施するよう連邦政府機関に命じる。調査対象には、◆医薬品原薬（API）、◆重要鉱物（レアアースや炭素繊維など）、◆半導体・高度パッケージング、◆電気自動車(EV)向け大容量バッテリーを選定した。
　また、第2弾として、より広範な分野の産業基盤を対象に1年間のレビューを行うよう求めた。調査対象には、◆公衆衛生・バイオ製剤、◆情報通信技術(ICT)、◆エネルギー、◆運輸、◆農産物、◆食料生産――の6業種を選んでいる。
　今月半ばにバイデン大統領へ書簡を送った業界団体の米半導体工業会（SIA）は24日、大統領令の署名を歓迎する声明を発表した。米半導体製造能力の世界シェアが約30年前の37％（1990年）から12％（現在）に急低下したことに改めて言及するとともに、米半導体サプライチェーンの強化に向けて「大統領と議会に国内チップ製造・研究に野心的に投資することを要請する」と投資のインセンティブを求めている。


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