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2021/02/03 15:14

アントIPO、事業見通しともに不透明感=アリババ経営トップ 無料記事

 中国のEコマース最大手、アリババ・グループ(阿里巴巴集団、@BABA/U)の張勇・董事長兼CEO(最高経営責任者)は2日の決算説明会で、傘下金融サービス会社のマ蟻集団(アント・グループ)について、事業見通しや新規株式公開(IPO)計画に不透明感があるとの認識を示した。現時点で、アリババにもたらす影響についても評価が難しいとしている。また、アリババの独占疑惑を巡る中国当局の調査に対しては、「積極的に協力している」と述べた。香港紙・明報など複数メディアが伝えた。
 アントは2020年11月、上海のハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」と香港マーケットに同時上場する計画だったが、直前になって延期を発表。中国当局から「科創板」への上場を差し止める通知を受け取ったためで、同時に予定していた香港でのH株上場も延期することを明らかにした。
 また、中国人民銀行(中央銀行)の昨年末の発表によると、アントは当局主導の下、証券、保険など複数の金融機関を組み込む形で金融持ち株会社の設立案を策定中。ただ、アントの主力である決済業務「支付宝(アリペイ)」が同持ち株会社に組み込まれるかどうかは、明らかにされていない。
 アントの事業再編やIPOの行方は、アリババにも大きな影響をもたらす見通しだ。アリババがこの日発表した第3四半期(20年10〜12月)決算によると、アントの持分法投資利益は47億9600万人民元(約780億円)に達した。なお、アリババの同期決算は、売上高が前年同期比37%増の2210億8400万人民元、純利益が52%増の794億2700万人民元となっている。


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