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2021/04/27 12:41

米政権のキャピタルゲイン増税、75%が対象外=UBS 無料記事

 バイデン大統領が計画するキャピタルゲイン増税に関し、スイス投資銀行のUBSはこのほど、「投資家の75%が増税の対象にならない」とするリポートをまとめた。26日付CNBCなど複数メディアがリポートを引用して伝えている。
 投資家の大半が増税対象にならないのは、◆確定拠出年金口座などを通じて投資をしていること、◆増税の対象が年収100万ドルを超える層に限定されること――などが理由。米投資家の75%は、課税対象にならない確定拠出年金「401(k)」、個人退職勘定「IRA」などを通じて投資を行っている。また、米内国歳入庁(IRS)の所得に関する最新データによると、2018年に確定申告を行った1億5400万人のうち、100万ドル以上の所得を得ていた人は54万人。全体の0.3%とごく僅かだった。さらに、大学などの非課税団体が手掛ける財団などもキャピタルゲイン税の対象外となっているほか、海外の投資家には別の税制度が適用されている。
 バイデン大統領は今週、1兆ドル規模の経済政策「米国家族計画」の財源を賄うため、キャピタルゲイン税の税率を現行の20%から39.6%に引き上げることを発表する見通しとされる。実現した場合、富裕層のキャピタルゲイン税が最大43.4%(医療保険制度改革の財源目的に課された追加税3.8%も含む)に引き上がることになる。
 ただ、野党・共和党が同増税に反対しているため、増税案がそのまま成立する可能性は低いもよう。UBSの専門家は、法案を通す過程でキャピタルゲイン税が39.6%でなく、28%に落ち着くと予想している。


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