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2018/12/05 08:42

大引け概況(詳報): 急反落、景気・貿易の先行き不安が再燃 無料記事

 4日のNY株式市場は、投資家心理の悪化で売られる展開。主要指標のダウ平均が前日比799.36ドル(3.10%)安の25027.07ドル、ハイテク銘柄で構成されるナスダック総合指数が283.09ポイント(3.80%)安の7158.43ポイントとそろって急反落して取引を終えた。
 利回り曲線のフラット化が進む中、「景気拡大局面が終盤に差し掛かっている」との見方が浮上したことが警戒された。3年債利回りと5年債利回りの利回り格差が3日、2007年(=リーマンショック直前)以来のマイナスに転じ、約11年ぶりの逆イールド(長短金利の逆転)が起こったことがきっかけだ。
 また、米中貿易摩擦問題の懸念も再燃。トランプ大統領がツイッターで「I am a tariff Man(私は関税マンだ)」と投稿するなど、貿易交渉の道具として関税を使う意欲を改めて示したことなどを受け、期限内に合意できるかどうかについて懐疑的な見方が広がった。トランプ米大統領が「中国が米国製自動車への関税について、削減・廃止に合意した」とツイッターで先週末述べたことについても、米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長が「最終合意でない」と内容を修正している。
 S&P500全11業種のうち公益を除く10業種が大幅に下落するなど、ほぼ全面安の商状。なかでも金融セクターの下げが目立った。逆イールドによる利ザヤ悪化を懸念し、銀行大手のジェイピー・モルガン・チェース(@JPM/U)が4.46%安、バンク・オブ・アメリカ(@BAC/U)が5.43%安と値を下げている。
 貿易摩擦への懸念が再燃するなか、3日に買われた中国関連銘柄も改めて売られた。半導体関連が大きく値を下げ、メモリー大手のマイクロン・テクノロジー(@MU/U)が7.87%安、GPU大手のエヌビディア(@NVDA/U)が7.60%安、半導体設備大手のアプライド マテリアルズ(@AMAT/U)が7.59%安とそろって急落している。資本財セクターも売られ、航空機大手のボーイング(@BA/U)が4.85%安、建機大手のキャタピラー(@CAT/U)が6.93%安、農機大手のディア・アンド・カンパニー(@DE/U)が6.55%安で引けた。
 ハイテク・IT株も安い。IT端末大手のアップル(@AAPL/U)が4.40%安、Eコマース大手のアマゾン・ドット・コム(@AMZN/U)が5.87%安、検索大手のアルファベット(@GOOGL/U)が4.83%安と急落した。
 なお、翌5日はジョージ・H・W・ブッシュ元大統領の国葬のため、NY株式市場は休場となる。


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