米金融当局による金融引き締め加速懸念で米国株式市場の軟調が続くなか、有力ブローカーが「S&P500指数が近く弱気相場（直近高値から約20％下落した状態）入りする」と警鐘を鳴らしている。S&P500指数は25日、前営業日比0.57％高の4296.12ポイントと反発したが、今年1月4日の過去最高値（4818.62ポイント）から約11％下落している状態だ。
　モルガン・スタンレーは最新リポートで、新たな投資推奨アイデアを探すことにやや苦戦していることに言及。現時点で市場全体がかなり物色され、次のローテーション先が不明ななか、「経験上、次に起こるのはほぼすべての銘柄が一斉に下落し、主要指数が急落すること」と予想した。なお、比較的魅力的な価格でディフェンシブな分野として、大型製薬・バイオ銘柄のギリアド・サイエンシズ(@GILD/U)、バーテックス・ファーマシューティカルズ(@VRTX/U)、リジェネロン・ファーマシューティカルズ(@REGN/U)、ファイザー(@PFE/U)、メルク(@MRK/U)、イーライリリー(@LLY/U)などを挙げている。
　市場が注目しているインフレ・インフレ期待については、「ピークに達した可能性が高い」と主張した。ただ、強気材料とは見ておらず、「インフレ率の低下が名目GDP成長率の減速につながり、企業の増収率やEPS成長率も低下するだろう。これら減速が急激な場合、多くの企業にとって問題になる恐れがある」と分析している。


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