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2022/08/22 10:01

米国株週間相場見通し:神経質な値動きか、引き締め懸念が再燃 無料記事

 今週のNY株式市場は、金融引き締め懸念が蒸し返されるなかで上値の重い展開となりそうだ。
 金融政策の動向は、なお楽観できない状況といえる。注目のFOMC議事録(7月分)で「いずれは利上げペースを減速させる」という方針が示されたものの、依然としてタカ派的なスタンスを貫くFRB高官が散見されることが気がかり。セントルイス連銀のブラード総裁が0.75ポイントの追加利上げを主張しているうえ、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁も「勝利宣言はまだ早い」とハト派をけん制した。
 投資家の間では、パウエル議長の講演(ジャクソンホールで25〜27日に予定)を見極めたいとする慎重姿勢が強まりはじめたようだ。現時点では、パウエル氏がタカ派的な論調を継続するとの見方が有力。これが意識されているためか、米10年債利回りも先週末には3.0%近辺まで上昇するなど、8月2日の2.5%台から大幅に水準を切り上げている。
 また、企業業績面での押し上げ余力も尽きてきた感がある。6月中旬から続いてきたNY市場の反発は、主として時価総額の大きいハイテク銘柄群(アップルやアマゾン、アルファベット、メタ、マイクロソフト、テスラ、エヌビディアなど)の上昇によるところが大きく、物色銘柄が全体に広がった形跡は認められない。これら銘柄の買い戻しによる全体相場の上昇は、足元で一服してしまった格好だ。なお今週は、エヌビディアやセールスフォースの2-4月期決算が発表されるが、業績が上振れた場合でも材料出尽くし感が強まる可能性もあろう。


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