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2022/03/17 09:48

景気後退の可能性は高まっていない=パウエルFRB議長 無料記事

 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は16日、連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で「来年にかけて景気後退(リセッション)の可能性は特に高まっていない」とコメントした。インフレの高進やロシアによるウクライナ侵攻など、多数リスクに直面しているものの、市場が懸念する「リセッション入り」の可能性が低いことを強調した格好。「総需要は現在強く、それが続くと予想する向きがほとんどだ」と述べている。
 注目を集めているインフレ動向については、当初の予測より時間がかかるものの落ち着いていくと主張。「政策声明で強調しているように、金融政策のスタンスを適切に固めていくことで、労働市場の堅調さを保ったまま、インフレが2%に戻ると予想している」と述べた。
 より積極的な金融引き締めが必要な場合は、引き締めペースを加速する可能性も認めた。引き締め加速の要因については特定しなかったが、「全ての会合はライブだ(every meeting is a live meeting)。進展する状況を踏まえ、緩和策を撤回するためにより迅速に行動することが適切であると結論付けた場合はそうするだろう」と説明している。
 ほぼ9兆ドルに膨らんだバランスシートの縮小(量的引き締め:QT)については、今回の会合でプロセス開始に向けた「大きな進展」があったとコメント。早ければ次の5月FOMCに詳細を発表する可能性に言及した。その方法については、「前回行った時のことを良く知っている人にとっては非常に馴染みのあるフレームワーク」と説明する一方、「ただ、前回よりも速いペースで行う」と補足している。
 17〜19年に行ったバランスシートの縮小では、残りの大部分を再投資しながら、償還期日を迎えた債券を毎月一定レベルでロールオフ(再投資を控えることで保有高を減らすこと)していく形で長期的に減らしていった。今回のパウエル議長のコメントは、前回設定された額(月500億ドル)よりも積極的なペースで削減することを示唆している。


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