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2022/05/19 08:56

ターゲット25%安、1Q利益の大幅な下振れを嫌気 無料記事

 18日のNY株式市場では、ディスカウントストア大手のターゲット・コーポレーション(@TGT/U)が前日比24.93%安の161.61ドルと急落して取引を終えた。足元業績でコスト増に伴う減益基調が鮮明化したことが嫌気されている。
 この日発表された第1四半期(2〜4月)決算は、売上高が前年同期比4.02%増の251億7000万ドルと伸びる一方、純利益が同51.88%減の10億900万ドルに半減するという結果で、調整後・希薄化後EPS(非GAAP、2.19ドル)が市場予想(約3.08ドル)を大幅に下回った。粗利益率と営業利益率はそれぞれ30.0→25.7%(↓4.3ポイント)、9.8→5.3%(↓4.5ポイント)に低下した。
 既存店売上高が3.3%増とプラス成長を確保したが、市場が注目したのはコストや利益の動向。Brian Cornell最高経営責任者(CEO)は「(利益の)下振れは異常なほど高いコストによるもの。売上高は順調な成長をみせたが、想定していたほどの収益性を保つことができなかった」とコメントした。在庫の到着時期の前倒しや遅延、配送センターで増えた経費と従業員数、商品構成の悪化などが利益面の悪化につながったという。運賃の上昇、値下げの増加、テレビや家電、自転車といった商品の販売下振れなども逆風だった。
 ただ、インフレ高進のなかでもターゲットは値上げに消極的なスタンス。Michael Fiddelke最高財務責任者(CFO)は「ターゲットは価値の提供に注力する」とコスト増を自社で吸収する方針を示し、値上げについて「最終手段であり続ける」と述べた。「過去数年間に価格に注力することで非常に多くの信頼を得てきた。現在の環境下でそれを止めるつもりはない」とコメントしている。
 会社側は22年通期の業績動向について、増収率の予想を「1ケタ台前半〜半ば」で据え置く一方、EPSの予想を提供しなかった(3月初時点では調整後EPSの増加率を「1ケタ台後半」と予想していた)。営業利益率の予想については「6%前後」に引き下げている(従来予想:8%超)。



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