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2022/06/02 10:29

1Q上振れでセールスフォース10%高、通期利益予想は上方修正 無料記事

 1日のNY株式市場では、顧客管理ソフト大手のセールスフォース(@CRM/U)が前日比9.88%高の176.07ドルと急反発で取引を終えた。昨年11月の高値から株価がほぼ半値水準に落ち込んでいることもあり、足元業績の上振れなどが好感されている。
 前日引け後に発表した第1四半期(2〜4月)決算は、売上高が前年同期比24.28%増の74億1100万ドルに伸びる半面、純利益が同94.02%減の2800万ドルに落ち込むという結果だが、売上高、調整後・希薄化後EPS(非GAAP、19.00%減の0.98ドル)ともに市場予想(それぞれ約73億7900万ドル、約0.95ドル)を上回った。22年1月末時点の前受収益は22.20%増の136億3600万ドルに拡大したが、市場予想(約137億6000万ドル)をやや下回った。
 会社側は23年1月期ガイダンスを更新。売上高を320億〜321億ドル→317億〜318億ドルに引き下げる一方、調整後の希薄化後EPS(非GAAP)を4.62〜4.64ドル→4.74〜4.76ドルに引き上げた(市場予想はそれぞれ約320億6000万ドル、約4.65ドル)。ドル高が響いて売上高ガイダンスを引き下げたが、調整後・営業利益率(非GAAP)の予想を約20.4%(↑0.4ポイント)に上方修正している。
 マーク・ベニオフ最高経営責任者(CEO)は電話会議で、「世界景気からの大きなインパクトはない」とコメント。他の経営幹部が「為替変動などマクロ経済の不確実性は認識している」と述べたが、需要が底堅いことを示唆した。昨年7月に買収したチャットツール大手スラックについては、当期に自社製品(営業支援の「Sales Cloud」、顧客サービス・サポート支援の「Service Cloud」、マーケティング支援の「Marketing Cloud」)との統合を進めている。また、対面イベントを安全にするための「Safety Cloud」を導入したほか、4月には社名を「salesforce.com, inc.」→「Salesforce, Inc.」に変更した。
 積極的なM&Aで知られるセールスフォースだが、今後のM&Aについては慎重スタンス。ベニオフCEOは電話会議で尋ねられた際、あまり期待しないよう釘を刺した。「われわれは非常に注意深く市場を見守り、バリュエーションの正常化をみている」と述べ、「今のところ大規模な買収を検討していない。持っているものを統合することに注力している」と説明した。


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