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2022/06/16 08:56

FRBが0.75%利上げを決定、1994年以来の大きさ 無料記事

 米連邦準備理事会(FRB)は15日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、(直近の)市場予想通り0.75%の利上げを賛成多数で決定した(カンザスシティ連銀のジョージ総裁は反対し、0.50の利上げを主張)。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標を従来の「0.75〜1.00%」から「1.50〜1.75%」に引き上げている。通常(0.25%)の3倍となる0.75%の利上げ幅は、1994年以来の大きさ。インフレ抑制に向けて、急ピッチな利上げを決めた格好だ。
 パウエルFRB議長はFOMC後の会見で、「明らかに、今回の0.75%利上げは異例の大きさであり、このサイズの動きが一般的になるとは思わない」とコメントしつつも、7月のFOMCについて「0.50%か0.75%の利上げになる可能性が最も高い」と予想した(5月FOMC時点では、6月、7月で0.50%ずつの利上げが適切との見解だった)。これまで通り「政策は経済統計や見通しに左右される」と説明し、「会合ごとに意思決定を下し、可能な限り明確に我々の意図を伝え続ける」と述べている。
 インフレ動向に関しては、「数値の改善を見たい。インフレは横ばいになるまで下がらない」と発言。「進展がみられないと、我々が対処することにつながる可能性がある。間もなく、ある程度の進展がみられるだろう」と期待した。
 6月のFOMCでは、メンバーによる(3カ月ごとの)経済見通しを更新。FFレートの22年予想(中央値)を3.4%(従来予想:1.9%)、23年予想を3.8%(同:2.8%)にそれぞれ大幅に引き上げた。一方、GDP予想成長率については、22年を1.7%(同:2.8%)、23年を1.7%(同:2.2%)に下方修正。インフレ率(コアPCE)の予想に関しては、22年を5.2%(同:4.3%)に引き上げる一方、23年を2.6%(同:2.7%)にやや引き下げている。失業率については、(金融引き締め加速によって)従来予想よりやや悪化すると想定。22年を3.5→3.7%、23年を3.5→3.9%に上方修正した。


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