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2022/04/05 10:01

上場廃止懸念の緩和で中国ADR銘柄が急伸、アリババは7%高 無料記事

 週明け4日のNY株式市場では、中国ADR銘柄を買い戻す動きが続いた。EC大手のアリババ・グループ(阿里巴巴集団、@BABA/U)が前営業日比6.62%高、JDドット・コム(京東集団、@JD/U)が7.14%高、ピンドゥオドゥオ(@PDD/U)が15.59%高、ネット検索大手のバイドゥ(百度、@BIDU/U)が9.10%高、ネット動画配信大手のアイチーイー(愛奇芸、@IQ/U)が16.74%高、ビリビリ(@BILI/U)が16.55%高、オンライン証券大手のフツ・ホールディングス(富途控股、@FUTU/U)が19.51%高、電気自動車(EV)新興企業のニーオ(蔚来汽車、@NIO/U)が8.76%高、リ・オート(理想汽車:@LI/U)が5.21%高、シャオペン(小鵬汽車、@XPEV/U)が7.57%高で引けている。
 上場廃止懸念の後退が支援材料。中国証券監督管理委員会(証監会)は2日、域外上場の機密保持や情報管理に関する規定の改正案を発表し、今月17日までパブリックコメント(意見公募)を行うと発表した。改正案では「海外上場する中国企業の立ち入り検査は、主に中国の監督当局が行う」という要件を廃止。一方で、中国企業に国家機密の保護を義務付ける内容となっている。
 複数の中国現地メディアによると、今回の改正案は「中国が米国に歩み寄りを見せたもの」と市場ではポジティブに受け止められた。米国で上場する海外企業に対し、米当局は会計情報への全面的なアクセスを要求。2021年12月に「外国企業説明責任法(HFCAA)」を制定し、規定に従わない企業は上場廃止とする方針を示している。これまでに同法に抵触する中国企業として、百度や微博(ウェイボー:9898/HK、@WB/U)などを暫定リストに入れた。
 ただ、中国側は国家安全保障に関する情報については引き続き慎重な取り扱いを求める構え。国泰君安証券のレポートによると、中国政府が機密とみなすデータの保護に米当局が同意しない可能性があり、先行き不透明感はくすぶる。米当局が中国側の譲歩を受け入れるか、市場の注目が集まっている。


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