詳細
検索 (期間指定)
期間

2022/08/18 09:29

インフレ鈍化まで利上げ継続姿勢、いずれはペース減速も=7月FOMC議事要旨 無料記事

 米連邦準備理事会(FRB)は17日、7月26〜27日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表し、インフレ率が大きく低下するまで利上げ基調を撤回することを検討しない可能性が高いことを示唆した。会合参加者の一部が現在のFFレート(2.25〜2.50%)が「中立金利」に近い水準にあると認識する一方、他の参加者はより制限的なスタンスが適切な可能性が高いとみている。議事要旨では「インフレ率が委員会の目標をはるかに上回って推移しているため、最大限の雇用と物価の安定を促進するという委員会の使命を果たすため、参加者は政策を制限的なスタンスに移行する必要があると判断した」と記述されている。
 一方、マーケットでこのところ期待されているように、FRBがいずれ利上げペースの減速を検討することも示唆。議事要旨では「金融政策スタンスがさらに引き締められるにつれ、政策調整に伴う経済活動やインフレに対する影響を評価し、利上げペースを遅らせることがある時点で適切になる可能性が高い」と記述された。ただ、「政策金利が十分に制限的な水準に達した後、インフレ率が2%に戻る道を確実に歩むために、しばらくその金利水準を維持することが適切である可能性が高い」とも記している。
 なお、当局者は今後の政策金利動向について、統計データに基づく判断になると述べた。ただ、インフレが弱まっている兆しがまだほとんどないため、議事要旨ではインフレを抑制する姿勢を繰り返し強調している。また、政策調整による効果が十分に発揮されるまで、しばらく時間がかかる可能性が高いことも指摘した。
 6月のFOMCでは経済見通しを更新し、FFレートの22年予想(中央値)を3.4%(従来予想:1.9%)に引き上げた。長期的な中立金利(約2.5%)を上回る水準。「FED Watchツール」によると、現時点では9月会合と11月会合で0.50〜0.75%の利上げが行われ、12月以降の会合で利上げしないとの見方が強まっている。ターミナルレート(利上げの最終到達点)は「3.50〜3.75%」前後との見方が多い。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース