詳細
検索 (期間指定)
期間

2022/05/02 09:51

2Q上振れもアップル4%安、3Qのサプライチェーン問題激化に警戒感 無料記事

 先週末4月29日のNY株式市場では、IT機器大手のアップル(@AAPL/U)が前日比3.66%安の157.65ドルと急反落して取引を終えた。前日引け後に発表された第2四半期(1〜3月)決算は、9%増収・6%増益で市場予想を上回るなど堅調な内容だったが、先行きを巡るいくつかの逆風が警戒された格好だ。
 同社は2020年2月以降に公式な収益ガイダンスを公表していないが(コロナ禍を巡る不確実性が理由)、ルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)は決算発表後の電話会議で「サプライチェーン問題によって第3四半期(4〜6月)に40億〜80億ドルの打撃が生じるだろう」と供給能力の減少に警鐘を鳴らした。1〜3月期よりも同悪影響が強まるとみている。また、「コロナ禍に絡む都市封鎖(ロックダウン)によって中国顧客の需要に何らかの影響がある」との懸念も示している。
 こうした中、会社側は株主還元を強化。四半期配当を0.23ドル(↑5%)に引き上げたほか、新たに900億ドルの自社株購入枠を承認した(アップルは21年、自社株買いに前年比8%増の883億ドルを費やしている)。
 ブローカーの多くはポジティブな投資判断を継続。例えばパイパー・サンドラーは最新リポートで、「オーバーウエイト」の投資判断を維持し(目標株価は200→195ドルに下方修正)、「アップルの問題は一時的なもので、ファンダメンタルズは正しい方向に向かっているようにみえる」と述べた。エバーコアISIも「アウトパフォーム」の投資判断を継続(目標株価は210ドル)。サプライチェーン問題、ウクライナ紛争、為替の逆風(ドル高)など4〜6月期の売上高を抑制する要因がいくつかあるものの、「これら失った売上高の一部は、繰延需要として将来的に戻ってくる」と予想している。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース