詳細
検索 (期間指定)
期間

2022/02/16 10:41

AMDがザイリンクスの買収完了を発表、総額490億ドル 無料記事

 半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(@AMD/U)は14日、(2020年10月に発表していた)半導体大手ザイリンクスの買収手続きを完了したと発表した。株式交換を通じてザイリンクスの全株を取得している。買収総額は約490億ドルに上り(計画発表当時は約350億ドルだったが、その後にAMD株価が上昇したため)、半導体業界で過去最高額のM&A案件となった。
 ザイリンクスの株主は完了時点で、保有1株あたりAMD株1.7234株を受け取った(端株は現金で支払い)。合併されたザイリンクスの事業は、元CEOのVictor Peng氏が統括する新独立部門「Adaptiveand Embedded Computing Group(AECG)」となる。
 AMD側は「この買収によって、高性能かつ適応性のあるコンピューティング分野のリーダーが誕生した」とコメントした。獲得可能な最大市場規模(TAM)を約800億→約1350億ドルに拡大している(内訳:データセンター向け500億ドル、PC向け400億ドル、組み込みチップ290億ドル、ゲーム向け160億ドル)。
 買収発表当時の報道によると、買収の完了後、AMDとインテル(@INTC/U)の競争がデータセンター向けチップ市場などで激化する見通し。AMDが中央処理装置(CPU)分野でインテルと長年競い合う一方、(ビデオ圧縮やデジタル暗号化など特殊タスクの高速化に役立つ)プログラマブルプロセッサをデータセンター向けに開発するザイリンクスもインテルと競合していたためだ(ライバルのアルテラが15年、インテルに買収されている)。AMDとザイリンクスの両社は、ともに台湾TSMCに生産を委託するファブレス半導体大手。インテルが微細化技術でTSMCの後塵を拝するなか、AMDとザイリンクスはパフォーマンスの優位性による一段の市場シェア拡大を目指す。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース