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2022/03/03 13:48

3月の0.25%利上げを支持=パウエルFRB議長 無料記事

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は2日、半期に1度の議会証言を行った際、ウクライナでの紛争によって「非常に不安定な状態」になったものの、今月(3月)に利上げを始める可能性が高いとの認識を示した。その上で、利上げ幅については「0.25%」の支持に傾いていること、約9兆ドルに膨らんだバランスシートの縮小計画(QT)については取り組むものの内容を確定しないことなどを明らかにしている。インフレ高進が続く場合により積極的な行動をする可能性を残しつつも、「金融システムに不確実性を加えるのではなく、安定させるために政策ツールを使う方針だ」と強調した。
 証言では、ウクライナでの紛争や対ロシア制裁などによって米国経済の先行きが非常に不透明になったことを認めた。その上で、適切な金融政策をとるために、経済が予期せぬ方向に進むという認識を持ち、データの推移と見通しの変化に機敏に対応することが必要だと主張している。また、「ウクライナ紛争が経済に与える影響についてさらに学び、“慎重に”政策運営を進めることが重要」との認識も示した。
 QTについては、利上げの開始後に「予測可能な方法」で着手する考えを改めて示した(具体的な開始時期は不明)。保有債券の売却でなく、償還期日を迎えた債券の再投資を控える形で長期的に減らしていく方針だ。
 ロシアによるウクライナ侵攻を受け、市場では利上げの予想がやや低下しつつある。CMEグループの「Fed Watchツール」によると、3月FOMCで0.25%利上げされる確率は97.8%に上った(0.50%利上げされる確率はゼロ。利上げ無しの確率は2.2%)。今年12月FOMC時点の政策金利予想は、「1.50〜1.75%(利上げ6回)」が34.7%で最も高く、次に「1.25〜1.50%(利上げ5回)」が29.2%と続いている。ウクライナ紛争前は、利上げ回数を7回以上に見込む向きもあった。


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