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2022/05/17 09:22

マクドナルドがロシアから撤退へ、人道的危機は「価値観と一致せず」 無料記事

 ファストフード大手のマクドナルド(@MCD/U)は16日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて3月上旬にロシア店舗を閉鎖したことに続き、「ロシア市場から撤退することを決定した」と発表した。プレスリリースでは「ウクライナでの戦争によって引き起こされた人道的危機や予測不可能な経営環境の悪化を受け、マクドナルドはロシア事業を継続的に所有できず、マクドナルドの価値観と一致していないと結論付けた」と説明。ロシア事業を売却するプロセスに着手する方針を示している。
 ロシア市場からの撤退に関し、主に非現金の関連費用12億〜14億ドル(純投資の償却、外貨換算損失の計上など)を計上する見通しだ。なお、第1四半期(1〜3月)決算では、ロシア・ウクライナの紛争に絡み、両地域での営業を一時停止したことによる関連費用として1億2700万ドルを計上していた。うちロシア店舗閉鎖に絡む費用は月額約5000万ドルに上るとされる。
 マクドナルドは現在、ロシアで800超の店舗(約84%が直営店)と6万2000人の従業員を抱える。ロシア事業撤退に絡み、店舗ポートフォリオをロシア現地の買い手に売却することを目指す。ただ、ロシアでの商標は引き続き保持し、「脱アーチング」プロセス(社名・ロゴ・ブランド・メニューを現地事業から消すこと)を進めるという。もっとも事業売却の完了まで現地従業員への給与の支払いを続け、彼らが事業の買い手に雇用されるよう支援する考えも示している。
 マクドナルドのロシア事業は長く、現地で「著名米国ブランド」として象徴的な役割を果たしてきた経緯がある。ソ連崩壊の数カ月前に1号店を設置し、30年以上にわたって事業を続けていた。


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