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2023/07/18 09:44

AT&Tが7%安で30年ぶり安値、鉛ケーブル問題でブローカーが格下げ 無料記事

 週明け17日のNY株式市場では、通信キャリア2社を売り込む動きが強まった。AT&T(@T/U)が前営業日比6.69%安の13.53ドル、ベライゾン・コミュニケーション(@VZ/U)が7.50%安の31.46ドルと急落している。鉛ケーブルの問題やブローカーの格下げを受け、AT&Tは1993年3月以来、30年ぶりの安値を記録した格好だ。
 シティグループは最新リポートで、AT&Tに対する投資判断を「バイ」から「ニュートラル」に引き下げ、目標株価を22→16ドル(↓27%)に下方修正した。通信業界の鉛被覆ケーブルに関する報道を受け、先行きにより慎重な見方を示した形。「鉛で覆われている可能性がある銅線ケーブル網は、従来ネットワークのかなりの割合を占める恐れがある。各企業の占める割合は異なる」と指摘した。この問題に関するリスクについては「(重大なリスクがあるとしても)財務に与えるリスクを具体的に定量化することはできない」とし、「追加情報を得るには少なくとも数カ月、完全な解決には数年かかる恐れがある」との見解を示している。
 ウォールストリート・ジャーナルは9日、独自調査を通じ、「有毒な鉛で覆われた大量のケーブルが米国全土の水中や地下に埋まっており、近隣の土壌や水源を汚染している可能性がある」と報じた。同ケーブルを破棄した通信キャリアとして、AT&Tやベライゾンの名前を挙げている。一方、通信キャリア大手が加盟するロビー団体「USテレコム」は9日、1950年代に段階的に廃止された同ケーブルについて、「鉛で覆われた旧型通信ケーブルが公衆衛生問題の主な原因であるという証拠はまだ見たことがなく、規制当局も特定していない」とコメントした。
 こうした流れを受け、JPモルガンは14日付の最新リポートで、AT&Tに対する投資判断を「オーバーウエイト」から「ニュートラル」、目標株価を22→17ドル(↓23%)に引き下げていた。無線事業の成長を何度も下方修正していること、高金利環境下での金利負担、鉛ケーブルを巡る新たな不確実性――などを警戒している。


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