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2022/11/04 15:26

企業監査問題で米中協力が順調か、第1陣検査は予定より早く終了 無料記事

 米国株式市場に上場する中国企業の会計監査状況について、米上場企業会計監督委員会(PCAOB)の査察官はこのほど、第1陣の検査を予定より早く終えたもようだ。ブルームバーグ通信が4日、消息筋情報として伝えたもの。米市場に上場する中国企業の上場廃止を回避するため、米中間の監査協力は順調に進んでいるという。
 報道によると、PCAOBの数十人の査察官は監査状況の検査を終え、今週末にも香港を離れる見通し。当初は11月中旬の完了を予定していた。中国の監督当局から特定情報の削除を求められることはあったが、作業は順調に進んだという。
 PCAOBは今後数週内に、検査結果に関する予備報告書を提出する予定。内部統制や記録保持などの面での改善点が指摘される可能性があるという。
 PCAOBは今年8月、米市場に上場する中国企業の会計監査を巡る具体的な取り決めについて、中国証券監督管理委員会および中国財政部との間で合意したと発表した。中国当局との協議なしにPCAOBの査察官が監査作業の書類(監査調書)や担当者にアクセスすることを認めた内容。これを受けてPCAOBの査察官が9月に香港入りし、第1陣企業の検査に着手していた。
 これまでの報道によると、米当局は検査対象の第1陣として、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、@BABA/U)、網易(ネットイース:9999/HK、@NTES/U)、百度(バイドゥ:9888/HK、@BIDU/U)、京東集団(JDドットコム:9618/HK、@JD/U)、百勝中国HD(ヤム・チャイナ・ホールディングス:9987/HK、@YUMC/U)などを選出したとされる。
 PCAOBが中国と香港の監査法人を検査・調査することは過去10年以上にわたり、中国当局によって妨げられてきた。米国で2020年12月に成立した「外国企業説明責任法(HFCAA)」では、米規制当局が3年連続で該当企業の会計監査の監督ができない場合、同ADR銘柄の取引を禁止し、米国での上場廃止させることを認めている。すでに21年度については、中国・香港の監査法人を検査・調査することができなかったと結論づけられた。22年度についても年末までに判断する予定だ。


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