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2022/11/11 09:28

10月CPIは好材料だがまだ単月、利上げペース鈍化へ=SF連銀総裁 無料記事

 10月の消費者物価指数(CPI)が下振れたことを受け、米金融当局の高官から「良いニュース」との声が聞かれる一方、金融引き締め政策の性急な転換を危惧する意見が多かった。例えばサンフランシスコ連銀のメアリー・デイリー総裁は10日、10月CPIの下振れについて「単月のデータが勝利をもたらすわけではない。これはポジティブな情報の一つにすぎないと考えることが重要だと思う。我々は一連のデータセット全体を見ている」とコメント。インフレ率を平均2%まで引き下げることが目標であると改めて強調した上で、「仕事が完全に終わるまで政策調整を継続する」と補足している。
 今後の利上げ幅に関しては、「適切な金利水準を見つけるため、より段階的なアプローチを支持する」と述べ、利上げペースを鈍化させる時期が来たと示唆した。ただ、最終的な金利水準に関しては、「やや控えめに利上げした後にさらに利上げするよりは、利上げを少しやり過ぎた後に引き下げざるを得なくなる方が良い」と主張している。
 米金融市場では10日、10月CPIの結果を受けて、長短金利が急低下。金融政策動向に敏感な2年債利回りが4.33%(↓0.25ポイント)、長期金利を代表する10年債利回りが3.81%(↓0.28ポイント)に引き下げられた。CMEグループの「Fed Watchツール」では、12月会合で0.5%利上げにとどまる可能性が8割超に上昇(0.75%利上げの可能性が1割超に低下)。9日時点では、0.5%利上げの可能性が5割超にとどまっていた。現時点で「3.75〜4.00%」のFFレート(政策金利)は12月会合で0.5%利上げされた後、来年2月、3月会合で0.25%ずつ利上げされ、ターミナルレート(現在の利上げサイクルの最終到達水準)が「4.75〜5.00」になるとの見方が多い。その後、来年後半から徐々に利下げされると見込まれている。


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