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2023/09/21 09:36

FRBが利上げ見送り、政策金利の長期高止まりは示唆 無料記事

 米連邦準備理事会(FRB)は20日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場予想通り利上げを見送ることを全会一致で決定した。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標を従来の「5.25〜5.50%」に据え置いている。インフレ抑制に向けて、2022年3月から今年7月の会合まで計11回、累計「5.25%」の利上げを行った後にその動きを再び停止した格好だ。声明文の内容は総じてあまり変えていないが、経済活動の拡大ペースを「緩やか」→「堅調」、雇用の増加ペースを「強い」→「緩やかだがなお強い」に変更している。
 パウエルFRB議長は会合後の記者会見で「追加の政策強化を慎重に判断する立場にある」と述べる一方、「適切なレベルに達していること、(インフレ抑制の)進展がみられていることを示す説得力のある証拠を見たい。結論に達する前に、更なる進展をみる必要がある」と強調した。
 今後の動向については、「政策金利が長期で高止まりする」と見込むなどややタカ派的。メンバーによる四半期ごとの経済・金利見通し(SEP)では、FFレートの23年予想(中央値)を5.6%に据え置く一方、24年予想を5.1%(従来予想:4.6%)、25年予想を3.9%(同:3.4%)に引き上げた。24年に「0.25%」2回の利下げが見込まれた形(従来予想では4回)。「ドットプロット」によると、年内の動向については、メンバー19人のうち12人が追加利上げに賛成の立場を示している(7人が据え置きを支持)。
 タカ派的な利上げ見通しの背景には、想定より堅調な景気動向がある。GDP予想成長率について、23年を2.1%(従来予想:1.0%)、24年を1.5%(同:1.1%)に引き上げた。失業率の予想については、23年を3.8%(同:4.1%)、24年を4.1%(同4.5%)に引き下げている。2%への抑制を目指すインフレ率(コアPCE)の23年予想に関しては、3.7%(同:3.9%)に引き下げた。


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