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2023/03/08 09:23

金利が想定より高くなる可能性あり=パウエルFRB議長 無料記事

 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は7日に米議会の上院銀行員会で行われた証言で、「最新の経済指標は予想を上回り、最終的な金利水準が想定よりも高くなる可能性が高いことを示唆している」と警告した。その上で「統計全体がより速い引き締めを正当化するのであれば、利上げペースを速める準備をする」と述べている。
 市場では、同コメントが2つのことを示唆すると受け止められた。1つ目は、FFレートの最終到達水準(ターミナルレート)が事前の想定よりも高まること。昨年12月会合時点では、当局者がターミナルレートを5.1%(=レンジでは5.00〜5.25%)と想定していたが、CMEグループの「Fed Watchツール」によると、市場は現在、見積もりを「5.50〜5.75%」まで引き上げている。
 また2つ目は、次回のFOMC(開催日:3月21〜22日)でより大きな0.50%の利上げが検討される可能性があること。「Fed Watchツール」によると、同会合で0.25%利上げの確率が約30%に下げる一方、0.50%利上げが実施される確率が約70%に上昇した(前日まではそれぞれ約70%、約30%)。
 なお、パウエル議長は「現在の傾向は金融引き締めが終わらないことを示している」と述べる一方、1月インフレ指標の一部が季節外れに温暖な気候によるものだった可能性がある点を指摘した。利上げの動向は会合ごとに行われ、統計などに依存すると繰り返した上で、「やらなければならないことの多くをやってきたが、これまでの引き締めの完全な効果はまだ感じられていない。それでも、やるべきことはまだある」と述べ、その道のりが「デコボコ」になる恐れがあると補足している。


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