2024/03/11 10:29
米国株週間相場見通し:下値の堅い展開か
今週のNY株式市場は、利下げ期待が再浮上する中で底堅く推移しそうだ。同期待の背景には、足元の景気指標が弱含んでいることがある。注目された2月の雇用統計では、失業率が上振れたほか、平均時給の上昇率も市場予想を下回った。他の主要経済統計(1月の製造業受注や2月のISM非製造業景況指数、2月のADP雇用統計)も軒並み下振れるなど、利下げの素地が整いつつある状態。実際、FRBのパウエル議長も「利下げ開始は遠くない時点」と述べている。これにより米10年債利回りは4.075%まで低下し、6月利下げがほぼ織り込まれた格好だ。
ただ、マーケット全体に過熱感が出始めている点には注意を要する。特に、金利低下を材料に高騰を続けてきたナスダック総合指数やフィラデルフィア半導体指数(SOX)は高値警戒感が強まる流れ。先週末8日はハイテク株に利益確定売りが入り、エヌビディアは5.6%も下落している(ダウ平均は0.18%安、ナスダック総合指数は1.16%安、SOXは4.03%安で終了)。
また、今週発表される2月の重要経済指標も注視する必要がある。CPIや小売売上高の結果次第では、利下げ期待がやや薄らぐ場面もみられよう。
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