今週末から来週にかけてのNY株式市場は、利上げサイクル終了の観測が強まる中で戻りを試す展開となりそうだ。先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、予想通り2会合連続で利上げが見送られたことに加え、パウエルFRB議長が「金利はピークに近づいた」と述べたことが背景にある。
　また、重要経済指標の相次ぐ下振れも同観測を強める要因。注目された10月の雇用統計では、雇用者数が前月比15万人増（予想は18万人）に減速したほか、失業率が3.9％に上昇した。また、10月の米ISM非製造業指数も5カ月ぶりの低水準に落ち込んでいる。こうした状況を受けて、10月下旬に5％台を突破していた米10年債利回りは、先週末に4.57％まで急低下した。
さらに、足元の原油安もインフレ懸念を和らげる（＝利上げ圧力を弱める）要因。米国や中国の景気鈍化を反映して、WTI原油先物価格は1バレル＝81ドル前後で推移している（月初の95ドル近辺から大幅に下落）。　
米中首脳会談が来週実施される可能性が高まったこともあり、目先は良好なセンチメントが続きそうだ。


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