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2025/02/19 09:36

インテル16%高、企業分割の観測が刺激材料 無料記事

 連休明け18日のNY株式市場では、半導体大手のインテル(@INTC/U)が前日比16.06%高の27.39ドルと急伸して取引を終えた。先週末に企業分割の観測が浮上したことが刺激材料となっている。
 15日付ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が関係筋情報として伝えたところによると、ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC:@TSM/U、2330/TW)、通信半導体設計大手のブロードコム(@AVGO/U)がそれぞれ、インテル事業の買収を検討しているもよう。ブロードコムは主にインテルの半導体設計・マーケティング部門に関心を示し、インテルの製造部門を引き継ぐパートナーが見つかった場合に入札を検討する可能性があるようだ。また、TSMCはインテル米国内工場の一部か全体を管理することを検討しているという。なお、ブロードコムとTSMCはそれぞれ独立した形で交渉を進めており、これまでの協議はすべて予備的かつ非公式なもののようだ。
 ブローカーの間では、この観測をプラス材料視する向きが多い。例えばレイモンド・ジェームズは最新リポートで、「インテルの製品事業とファウンドリー事業を分離することが株主価値を高める最も効果的な方法」とコメント。中国で規制上のハードルに直面する可能性、ブロードコムの買収には規制面の支援を約束する米政府の合意が必要――などの問題点を指摘する一方、「分離したインテル・ファウンドリー・サービス(IFS)に対し、米ファブレス企業がその株式を取得し、一定量のウェハを生産させることがベストシナリオ」との見解も示した。また、中国の承認を得るために、米政府が半導体製造ツールの輸出規制を緩和する可能性にも言及している。
 一方、カンター・フィッツジェラルドはインテルの分割観測について「すでに決まった取引(done deal)」と表現。米政権が米拠点のファウンドリー事業者を望んでいること、JDヴァンス副大統領の先週の発言を引用した。誰がIFSを運営するかという点については、TSMCの欧州ファウンドリー合弁事業の方式が「青写真」として使われ、顧客であるファブレス企業からの資本拠出が期待されるとの見解を示している。


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