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2019/10/07 12:27

週間相場見通し:底堅い値動きか  無料記事

 今週のNY株式市場は、米利下げの期待が高まる中で下値を固める展開か。
 先週の米株相場は前半に急落し、後半から反発する流れとなった。前半の急落は景気懸念の強まりによるもの。9月のISM製造業景況指数が47.8と2か月連続で製造活動の縮小を示す50.0割れとなったうえ(2009年6月以来の低水準)、9月のISM非製造業景況指数も急低下(8月56.4→9月52.6)したことが嫌気された。また、米国が欧州連合(EU)に対して報復関税を発動する(今月18日予定)と発表したことも相場の重しとなった。
 これに対して週後半から反発に転じたのは、景気不安を背景に米利下げ観測が高まったためだ。注目された9月の雇用統計は、景気不安をある程度打ち消しながらも利下げ期待につながる都合のよいものだった。非農業部門雇用者数は前月比13.6万人増と市場予想(14.5万人増)を下回ったが、7、8月分の上方修正が不安心理を打ち消した。そうなると、平均時給伸び率が前年比2.9%増と1年ぶりに3%台を割り込んだことも「FRBが利下げしやすくなった」との見方につながり、先週末のNY市場は終日堅調な値動きとなった。
 なお、中長期的な景気に対する不透明感は根強いものの、米消費の底堅さを示すデータが相場を支えていることも事実。全米小売業協会は3日、年末商戦の小売売上高が前年比で3.8〜4.2%増加するとの見通しを示した。これは、過去5年平均(3.7%増)を上回る好内容だ。
 米中閣僚級会議や15日に迫った米国による対中関税率引き上げ、英国のEU離脱論議、トランプ大統領のウクライナ疑惑(弾劾騒動)など内外の不安材料が多いことは確かだが、これらの結果が想定より良ければマーケットは素直に好感し、悪ければ(よほど悪すぎることがなければ)利下げ期待がさらに高まるという「良いとこどり」の地合いが期待される状況と言える。


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