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2019/03/25 12:20

週間相場見通し:神経質な値動きか 無料記事

 今週のNY株式市場は、世界景気の減速が警戒される中で上値の重い展開となろう。楽観的だった投資センチメントは先週末22日に一転。同日の主要指数は軒並み急反落した(ダウが1.77%安、ナスダックが2.50%安、S&Pが1.90%安)。
 その発端は、欧州の景気指標が下振れたこと。仏、独、ユーロ圏の3月製造業PMI速報値が相次いで市場予想を下回るなか、欧州経済の先行き不安が一気に高まった格好だ。これにより独10年債の利回りが2016年10月以来のマイナスに沈んだことで、米国の10年国債も一時2.41%まで低下。3カ月物の利回り(2.45%前後)を下回り、長短金利の逆転現象(逆イールド)が発生した。「長期金利が短期金利を下回るのは、将来の景気悪化を示唆する」と受け止められている。
 他の懸念材料もある。注目の米中通商交渉では閣僚会議が継続しているが、トランプ大統領は(合意は近いとのコメントしながらも)しばらく制裁関税を続ける意向を示している。また、英EU離脱問題や中国の景気懸念なども上値を抑える要因だ。
 一方で、米国国内の金融政策動向はマーケットにとってフレンドリー。20日のFOMCでは、予想よりもハト派的なスタンスが確認された。年内の利上げを見送る意向が表明されたうえ、一部の委員は利下げの可能性を示唆。またバランスシートの縮小についても、9月末で終了する方針が打ち出されている。市場ではいったん織り込んだ感があるが、ここから更に年内利下げ観測が浮上するようであれば市場の下支えとなる。
 今週はまた、米国の主要経済指標(2月の住宅着工件や住宅着工件数など)に注目が集まるが、すでに発表された2月の中古住宅販売件数が上振れたこともあり、大きな波乱にはならないと思われる。




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