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2019/05/06 09:39

週刊相場見通し:売り先行か、外部環境に不透明感 無料記事

今週のNY株式市場は、米中通商交渉の合意期待が薄らいだほか、朝鮮半島の地政学リスクが再燃したこともあって上値の重い展開か。
 最大の懸念材料は、トランプ大統領が米中通商交渉に対する強硬スタンスを示したこと。自身のツイッター上で米国時間5日夜、中国製品2000億ドル分に課す関税率について、「10日から10→25%に引き上げる」とで表明した上で、「交渉が遅すぎる。関税を課していない3250億ドル分に対しても、速やかに25%の関税を課す」と制裁を強化する方針を打ち出したのだ。一部では「ワシントンで8日開催される最終協議(米中閣僚級会議)を前にした脅しに過ぎない」と見られているものの、ウォールストリートジャーナルは「トランプ発言を踏まえて中国側(匿名の中国政府関係者)は、今週の協議を取りやめることを検討中」と報じた。いずれにせよ、合意時期が遠のく可能性が強まったことは否定できない。
 また、北朝鮮が4日朝、短距離弾道ミサイルと思われる飛翔体を日本海に向けて発射したことも気がかりだ。これがミサイルならば国連安保理決議に違反するため、北朝鮮に対する一段の制裁強化が予想され、朝鮮半島情勢の緊張がさらに高まることとなろう。
  一方で、米国国内の経済ファンダメンタルズはそれほど悪くない。先週末(3日)発表された4月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が26.3万人(予想は19万人)と大きく上振れたうえ、失業率も3.6%(予想3.8%)と49年ぶりの低水準を記録した(これを受けて、ナスダックは3日終値ベースで過去最高値を更)。ただ、4月のISM製造業とISM非製造業景況指数がともに下振れたため、景気過熱不安が浮上する状態ではない(=「適温相場」の継続)。
米主要企業の決算動向も総じて良好。3日までに1−3月期業績を発表したS&P500指数構成銘柄に関しては、7割を超える企業の利益が予想を上回った。今週決算を発表する損保のAIG(6日)やゲーム大手のエレクトロニック・アーツ(7日)、エンタメのウォルト・ディズニー(8日)に対しても、自ずと期待感が高まりやすい状態だ。





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