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2021/06/25 10:23

イーライリリーのアルツハイマー薬候補、FDAが画期的治療薬に指定 無料記事

 医薬品大手のイーライリリー(@LLY/U)は24日、開発したアルツハイマー型認知症(AD)治療薬候補「ドナネマブ(Donanemab)」について、米国食品医薬品局(FDA)から「画期的治療薬(ブレイクスルーセラピー)」の指定を受けたと発表した。ブレイクスルーセラピーに指定されると、効率的な開発に向けた助言や審査の迅速化などのメリットを受けられる。
 今回のブレイクスルーセラピーの指定は、第2相臨床試験結果に基づいたもの。現在は第3相試験を進めているが、第2相臨床試験結果に基づいて今年下期に生物学的製剤承認申請(BLA)を申請する予定だ。
 AD治療薬を巡っては、医薬品大手バイオジェン(@BIIB/U)とエーザイの新薬「aducanumab(アデュカヌマブ、製品名:Aduhelm)」が今月上旬、FDAに承認されたばかり。AD初期段階(軽度認知症)の患者に使った場合、原因とみられる脳内のアミロイドβプラークと呼ばれるタンパク質の「ごみ」を減らす効果があり、患者の認知機能低下を遅らせることにつながるという(ただ、FDAの独立アドバイザーからは「治験結果では、プラークの除去がAD患者の認知機能低下を遅らせることにつながることが示されていない」との警告もある)。「レカネマブ」も「アデュカヌマブ」と同様の効能を持つとされる。
 24日のNY株式市場では、イーライリリーが前日比7.31%高の232.97ドルと急伸する一方、バイオジェンが6.11%安の349.16ドルと急落した。「ドナネマブ」がブレイクスルーセラピーに指定されたため、「バイオジェンのアデュカヌマブが予想より早く競争激化に直面する」との見方が広がった格好だ。JPモルガンは最新リポートで、「治験結果によるとドナネマブはアデュカヌマブより優れている」と分析。他のブローカーも「ドナネマブが来年半ばまでに承認され、年商が数十億ドル規模の製品になる」と見込んでいる。


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