2019/10/14 10:58
高値圏で揉み合いか
今週のNY株式市場は、米中関係の改善期待が続く中で底堅い値動きか。注目の米中閣僚級協議は、予想以上の結果になったといえる。複数の米メディアによれば、トランプ大統領は11日、「米中両国が第1段階として知的財産権保護や金融サービスの開放、農産物輸入などで合意し、中国側が400−500億米ドル規模の米国産農産品を輸入することを決定した」と述べたうえで、来月にも合意文書に署名できるとの見方を示した。また米国側も部分的に譲歩し、10月15日に予定していた2500億米ドル規模の対中追加関税(25→30%)を先送りする方針という。
こうした報道を受けて、先週末(11日)のダウ平均は1.21%高、S&P500指数は1.09%高、ナスダック指数は1.34%高と軒並み急騰している。
また、今週から本格化する主要企業の7−9月期決算発表も相場の下支えになりそうだ。S&P500指数構成銘柄の増益見通しが平均で‐3.1%とかなり弱気になっているだけに(9月上旬時点の-2%前後からさらに悪化)、逆にポジティブ・サプライズが出やすい地合いといえる。
もっとも、今回の米中協議が「成功」したことにより、米利下げ観測が後退する可能性も念頭に入れておく必要がある。米中対立がもたらす景気悪化の懸念がやや後退するなか、FRBが予防的利下げに踏み切る必要性が薄れてしまったためだ。今週発表される9月の小売売上高や住宅着工件数などが堅調な内容となれば、今月末FOMCでの利下げ可能性が更に低下することになろう。