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2019/03/04 09:45

週間相場見通し:神経質な値動きか 無料記事

 今週のNY株式市場は、手がかり材料難で上値の重い展開か。これまで株価が大きく値を戻してきただけに、バリュエーション面でも割安感が見当たらず、ここから上を目指すにはかなり大きな新規材料が必要となる。
 こうしたなかにあって、外部環境には目立ったポジティブ材料が見当たらない。米中通商交渉はほぼ想定通りの内容で着地しつつあるが(トランプ大統領が関税率引き下げの延期に踏み切り、来るべき米中首脳会談に期待を表明したほか、米国家経済会議のクドロー委員長も「合意まであと一息」と楽観コメント)、これらの材料をマーケットはほぼ織り込んだとみられる。
 内部環境的にも特段のプラス材料はない。パウエルFRB議長が今週行った議会証言では、利上げに慎重な姿勢が確認される半面、米国経済の好調さにも言及するなど(景気の堅調による利上げ余地を想起させるもの)、マーケット的には「中立」の内容。そもそもFRBの金融引き締め緩和スタンスは昨年12月の米株急落が発端であっただけに、「株価がここまで戻ればハト派スタンスを強調する必要も薄れる」とする見方もある。実際、景気の底堅さは足元の経済指標にも表れている。先週発表された10〜12月の実質GDP成長率は、市場予想を上回る結果だった。
 なお、今週はFRBのベージュブックや2月の雇用統計が発表される。前述したように、景気の堅調さを強く意識させる内容だった場合は利上げ再開の観測が浮上する可能性があるものの、適度な上振れ程度ならば、マーケットは素直に好感しよう。


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