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2019/06/03 11:06

週間相場見通し:軟調な地合いか、「リスクオフ」姿勢が強まる  無料記事

 今週のNY株式市場は、内外環境の不透明感で下値を探る展開になろう。懸案の米中通商摩擦は激化の一途を辿っている。米国が発動した中国製品2000億米ドルに対する追加関税率の引き上げを受けて、中国も対抗措置として6月1日に第3弾の関税引き上げを実施。また、レアアースの対米禁輸を示唆したり、「信頼できない企業」リストを作成したりするなど、これまで以上の強硬姿勢に傾きつつある。
 米中関係以外でも、貿易を巡る新規の悪材料が飛び出した。米政府は30日、メキシコ製品に対する追加関税の導入を発表。メキシコ側も報復を示唆したことで(新たな貿易戦争の勃発が嫌気されるなか)、31日のNY株式市場は大きく売られている。
 米景気の先行き不安もくすぶる。5月のマークイット製造業PMIが約10年ぶりの低水準まで低下したため、今週発表される5月のISM製造業・非製造業景況指数や同雇用統計などに対しても警戒感が強まる状況だ。
 また、米債券市場で長短金利の逆転が起きた点も気がかり。10年債の利回りが3カ月物を下回ったことで、将来的な景気リセッション入りの可能性がクローズアップされた。
 もっとも、景気後退の観測で利下げの期待が高まっている点は株価の下支え要因になり得る。4日行われるパウエルFRB議長の講演は、FOMC(6月20日)の動向を占うだけに注目だ。


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