2019/06/17 10:39
週間相場見通し:神経質な値動きか
今週のNY株式市場は、好悪材料が入り混じるなかでもみ合う展開か。米利下げ観測が下支え要因になる一方、米中貿易摩擦の不透明感が上値を重くしよう。
米国の利下げ期待は、重要指標の低迷によって一段と強まった。5月の消費者物価指数が市場予想を下回ったほか、同月の雇用統計が下振れたことで「利下げの環境が整った」と受け止められた格好だ。
こうした中、今週の焦点は18−19日のFOMC。金融先物市場に織り込まれた利下げ確率を見ると、今回が17%程度と低く見積もられているが、7月実施の可能性は84%まで跳ね上がる。それだけに、FOMC声明文やパウエルFRB議長発言が注目される状態だ。
一方、懸案の米中通商交渉には進展が見当たらない。月末のG20(6月28−29日)が視野に入る中、米国側は中国に妥協・譲歩を求め続けているが、中国側の態度は硬化したまま。この状態では、早期に妥結する可能性が極めて低いといわざるを得ない。G20で米中首脳会談が実現しなかったり、実現しても交渉決裂になったりすれば、米国側は来月早々に残り3,000億米ドルの中国製輸入品に対する関税引き上げ(第4弾)を実施する可能性がある。
米中摩擦以外の不安材料としては、ホルムズ海峡の緊張激化という地政学リスクや、ハイテク企業を取り巻く経営環境の悪化が挙げられる。後者に関しては、米司法省が巨大IT企業に対して規制強化の構えを見せているほか、ブロードコムの業績見通し下方修正により半導体メモリの需給悪化が確認されたことがマイナス。これによりSOX(フィラデルフィア半導体指数)は急落し、100日移動平均線を大きく割り込んで先週の取引を終了した。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
米国の利下げ期待は、重要指標の低迷によって一段と強まった。5月の消費者物価指数が市場予想を下回ったほか、同月の雇用統計が下振れたことで「利下げの環境が整った」と受け止められた格好だ。
こうした中、今週の焦点は18−19日のFOMC。金融先物市場に織り込まれた利下げ確率を見ると、今回が17%程度と低く見積もられているが、7月実施の可能性は84%まで跳ね上がる。それだけに、FOMC声明文やパウエルFRB議長発言が注目される状態だ。
一方、懸案の米中通商交渉には進展が見当たらない。月末のG20(6月28−29日)が視野に入る中、米国側は中国に妥協・譲歩を求め続けているが、中国側の態度は硬化したまま。この状態では、早期に妥結する可能性が極めて低いといわざるを得ない。G20で米中首脳会談が実現しなかったり、実現しても交渉決裂になったりすれば、米国側は来月早々に残り3,000億米ドルの中国製輸入品に対する関税引き上げ(第4弾)を実施する可能性がある。
米中摩擦以外の不安材料としては、ホルムズ海峡の緊張激化という地政学リスクや、ハイテク企業を取り巻く経営環境の悪化が挙げられる。後者に関しては、米司法省が巨大IT企業に対して規制強化の構えを見せているほか、ブロードコムの業績見通し下方修正により半導体メモリの需給悪化が確認されたことがマイナス。これによりSOX(フィラデルフィア半導体指数)は急落し、100日移動平均線を大きく割り込んで先週の取引を終了した。
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