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2021/06/10 14:07

フィンテック企業のマルケタが米上場、初日は13%高で終了 無料記事

 決済テクノロジー企業のマルケタ(Marqeta、@MQ/U)は9日、ナスダックに上場し、公募価格(27ドル)を13.03%上回る30.52ドルで取引を終えた。朝方に20.37%高の32.50ドルで寄り付いた後、上げ幅を縮めている(この日の安値は6.00%高の28.62ドル)。
 市場の買い意欲は旺盛。公募価格は仮条件「20〜24ドル」を上回る27ドルで値決めされた。会社側は4545万株(A株)を売り出し、約12億ドルを調達している(発行後の発行済み株式総数はA株、B株含めて約5億3000万株)。9日終値時点の時価総額は160億ドル超に達し、昨年の評価額(約43億ドル)から約4倍に膨らんだ。
 2010年に創業したカリフォルニア州拠点のマルケタは、オープンAPIを使うクラウド型の「カード発行プラットフォーム」を運営。法人顧客がAPIを利用してカスタマイズした独自のデジタルクレジットカード(仮想カード)を発行し、決済処理できるようにする(3月末までの累計発行数は約3億2000万枚)。顧客はドアダッシュ(@DASH/U)、インスタカート、ウーバー(@UBER/U)、JPモルガン・チェース(@JPM/U)、アファーム(@AFRM/U)、スクエア(@SQ/U)など。
 CNBCによると、ドアダッシュやインスタカートなど出前・食品宅配プラットフォームの配達員には、配送時にレストランやスーパーマーケットで仮想カードを使うニーズがある(配達員はテイクアウト時に経費を使う必要があるが、法人カードを持つ資格がない。仮想カードでは特定の支出項目や支出場所の制限なども設定できる)。このほか、スクエアの発行するデビットカードや決済アプリ「Cash App」、アファームの後払い決済・分割支払いサービスなどもマルケタの技術を使っているという。昨年7月には、JPモルガン・チェースと提携し、モバイルウォレット(Apple Payなど)向け仮想カードを投入した。マルケタはマスターカード(@MA/U)やビザ(@V/U)と同様、顧客のカードを用いた各取引について一定の手数料を得るほか、ソフトウェア使用料を受け取っている。
 コロナ禍のあった20年の通期業績は、売上高が前年比103%増の2億9029万ドルと倍増した。今年第1四半期(1〜3月)は、売上高が前年同期比123%増の1億798万ドルに膨らみ、純損失が1283万ドルに縮小(前年同期の純損失は1453万ドル)。総決済処理額(TPV)は167%増の約240億ドルに達している(20年通期のTPVは前年比177%増の約601億ドル)。



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