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2021/04/05 08:41

週間相場見通し:底堅い展開か 無料記事

 今週のNY市場は、内部環境が安定する中で全体として堅調な値動きが続きそうだ。
 米国国内の環境は、以前にも増して改善している。中でも、◆バイデン大統領が2兆米ドル規模のインフラ投資計画案を公表したこと、◆ワクチン接種ペースが再三にわたり前倒しされていること――などを受けて、「アフター・コロナ」時代に向けた景気回復の期待が一段と強まっていることはプラスだ。カリフォルニアのディズニーランドが今月末から再開することも、こうした流れを裏付ける一つの実例と言えよう。
 今月中旬から主要企業の第1四半期決算発表が始まることも、市場センチメントの改善に繋がりそうだ。S&P500指数構成銘柄の1−3月期・予想増益率は、平均で前年同期比24%増と大幅な改善が見込まれているため、好業績を見越した先回り買いが入る場面がみられよう。
 米長期金利の上昇によるリスクオフの動きについても、ここに来てやや懸念が薄らいできたようだ。先週は10年債金利が1.77%台まで上昇する場面が見られたが、いつもは売られるはずのナスダックが先週後半から下値を切り上げる値動きに転じてきた。このことは、金利上昇に対する市場の耐性が付き始めたこと(=相場全体のセンチメントが改善しはじめていること)を示す。
 ただ、一方的な上値追いになるとも考えにくい。前述のインフラ投資計画案は大規模な増税を伴うことから、共和党の反発が必至なためだ。また、景気見通しが過度に強くなる場合にも注意を要する。今週予定されるFOMC議事録要旨(3月分)の発表で緩和姿勢が引き続き強調されれば(先週発表された3月ISM製造業景況指数や非農業部門雇用者数がいずれも市場予想を大きく上回ったこともあり)、景気過熱不安に繋がる可能性が高まる。長期金利の上昇ペースが加速すれば、さすがにマーケットへのマイナス影響は避けられないだろう。


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