2021/05/24 09:41
米国株週間相場見通し:神経質な値動きか、金利上昇の懸念で買い手控え
今週末のNY株式市場は、テーパリング観測による米長期金利の上昇が警戒される中で上値が抑えられる展開か。
先週明らかにされたFOMC議事要旨(4月開催分)では、委員の多くがテーパリング(米国債をはじめとする資産の購入規模を縮小していくこと)の議論を始める可能性を示唆していたことが分かったため、米長期債金利が一時1.69%近辺まで跳ね上がる場面がみられた。
先週後半の金利動向は小康状態だが、依然として上昇懸念がくすぶる状況に変わりはない。今週予定されるFRB高官らの議会証言や講演が気になる上、週末28日に発表される4月・個人消費物価デフレーターの上振れが予想されているためだ(3月の前年同月比比+2.3%から+3.5%前後に跳ね上がるとの見方が有力)。
こうした状況は株式市場にとってネガティブなだけでなく、鉄鋼などのコモディティを急落させる一因となり、それがさらに株式市場に冷や水をかける格好だ。
また、経済指標に回復疲れがみられることもネガティブ。先週は5月のミシガン大学消費者マインド指数や同フィラデルフィア連銀景況指数、4月の住宅着工件数など事前予想に届かないものが相次いだ。4月のマークイット製造業・サービス業PMIや前週の失業保険申請件数こそ予想より良い内容で着地したとは言え、今月上旬まで続いた「上振れラッシュ」とは様変わりだ。ただ、景気回復がそれほど進んでいないというデータは、金利上昇に歯止めをかける要因になり得る。したがって、ここから相場が大きく下げ続けるシナリオも想定しにくい。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
先週明らかにされたFOMC議事要旨(4月開催分)では、委員の多くがテーパリング(米国債をはじめとする資産の購入規模を縮小していくこと)の議論を始める可能性を示唆していたことが分かったため、米長期債金利が一時1.69%近辺まで跳ね上がる場面がみられた。
先週後半の金利動向は小康状態だが、依然として上昇懸念がくすぶる状況に変わりはない。今週予定されるFRB高官らの議会証言や講演が気になる上、週末28日に発表される4月・個人消費物価デフレーターの上振れが予想されているためだ(3月の前年同月比比+2.3%から+3.5%前後に跳ね上がるとの見方が有力)。
こうした状況は株式市場にとってネガティブなだけでなく、鉄鋼などのコモディティを急落させる一因となり、それがさらに株式市場に冷や水をかける格好だ。
また、経済指標に回復疲れがみられることもネガティブ。先週は5月のミシガン大学消費者マインド指数や同フィラデルフィア連銀景況指数、4月の住宅着工件数など事前予想に届かないものが相次いだ。4月のマークイット製造業・サービス業PMIや前週の失業保険申請件数こそ予想より良い内容で着地したとは言え、今月上旬まで続いた「上振れラッシュ」とは様変わりだ。ただ、景気回復がそれほど進んでいないというデータは、金利上昇に歯止めをかける要因になり得る。したがって、ここから相場が大きく下げ続けるシナリオも想定しにくい。
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