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2018/11/29 08:48

大引け概況(詳報):ダウ3連騰、ナスダックも急上昇 無料記事

 28日のNY株式市場は、金利引き上げの停止を示唆した米FRB議長発言で買われる展開。主要指標のダウ平均は3日続伸し、前日比617.70ドル(2.50%)高の2万5366.43ドルと、今年3月以来およそ8カ月ぶりの上げ幅を記録して引けた。ハイテク銘柄の比率が高いナスダック総合指数も大幅に上昇し、208.89ポイント(2.95%)高の7291.59ポイントと3日続伸して引けている。
 パウエルFRB議長はこの日の講演で、「現在の政策金利は中立金利をやや下回る程度で、景気を過熱させることもなく、鈍化させることもない状態だ」と述べ、現在の環境が好ましい状態にあるとの見解を表明。これを受け、市場では「米利上げの打ち止めが近い」との見方が強まった格好だ。
 米中貿易摩擦の緩和に向けた期待が高まったことも支援材料。米ニューヨーク・タイムズが同日、「トランプ大統領は米中貿易戦争の長期化による米経済や金融市場への影響を懸念し、中国製品に対する新たな関税の賦課を数カ月間遅らせることで中国側と合意する可能性がある」と報じた。
 こうしたなか、中国販売比率の高い銘柄を中心に軒並み上昇。ダウ平均の構成銘柄では、建機大手のキャタピラー(@CAT/U)が4.95%、航空機大手のボーイング(@BA/U)が4.86%、クレジットカード大手のビザ(@V/U)が4.02%、IT機器大手のアップル(@APPL/U)が3.85%ずつ買われた。
 S&P全11業種では、公益事業を除く10業種が上昇。なかでも、情報技術と一般消費財の上げが目立つ。IT関連では、セールスフォース・ドットコム(@CRM/U)が10.27%高と急騰したのをはじめ、アドビ(@ADBE/U)が7.30%、エヌビディア(@NVDA/U)が4.12%、グーグルを傘下に置くアルファベット(@GOOGL/U)が3.75%ずつ上昇している。
 一般消費財では、Eコマース大手のアマゾン・ドット・コム(@AMZN/U)が6.09%上昇したほか、スポーツ用品大手のナイキ(@NKE/U)が3.56%、オンライン旅行サイト大手のブッキング・ホールディングス(@BKNG/U)が2.46%、ホームセンター大手のホーム・デポ(@HD/U)が2.43%ずつ値を上げた。
 一方、宝飾品ブランド大手のティファニー(@TIF/U)は11.82%安と急落。8〜10月期の既存店売上高が下振れたことに加え、中国人旅行者による購入が減少していることが逆風だ。


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