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2019/05/02 08:55

大引け概況(詳報): 下落、一段の金融緩和観測が後退 無料記事

 1日のNY株式市場は、ハト派的な金融政策に対する過度な期待が薄らぐなかで売られる展開。主要指標のダウ平均が前日比162.77ドル(0.61%)安の26430.14ドルと反落し、ハイテク銘柄を中心に構成されるナスダック総合指数が45.75ポイント(0.57%)安の8049.64ポイントと続落して取引を終えた。
 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がこの日の記者会見で、物価停滞を「一時的なもの」と判断するなど、従来より緩和的な政策スタンスを示唆しなかったことが嫌気された。このところ市場では、「インフレ率がFRBの目標水準を下回っているため、利下げなどより緩和的な政策に傾く可能性がある」との思惑が広がっていただけに、今回の会見が失望売りにつながった格好だ。
 米経済指標の下振れもマイナス材料。4月のISM製造業景況指数が52.8に低下したほか(市場予想:約55)、3月の建設支出も前月比0.9%減に落ち込んだ(市場予想:横ばい)。
 セクター別では、S&P500全11業種のうち、REITを除く10業種が下落。特にエネルギーや素材など景気循環セクターの下げが目立った。石油大手のエクソンモービル(@XOM/U)が2.00%安、油田探査大手のシュルンベルジェ(@SLB/U)が3.07%安、化学大手のダウ・デュポン(@DWDP/U)が2.96%安、鉱山開発大手のフリーポートマクモラン(@FCX/U)が4.87%安と値を下げている。
 一般消費財や生活必需品など消費関連も安い。スポーツ用品大手のアンダーアーマー(@UAA/U)が4.55%安、ファッションブランド大手のタペストリー(@TPR/U)が3.87%安、小売大手のウォルマート(@WMT/U)が1.44%安、日用品大手のプロクター&ギャンブル(@PG/U)が1.46%安と売られた。
 このところ上昇基調だったハイテク関連も利食い売りに押された。IT大手のマイクロソフト(@MSFT/U)が2.08%安、ソフトウェア大手のアドビ(@ADBE/U)が2.04%安と下落している。なお、IT端末大手のアップル(@AAPL/U)は4.91%高と急伸。1〜3月期決算が想定より悪化しなかったうえ、4〜6月期の売上高ガイダンスが市場予想を上回ったことが好感された。


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