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2018/11/05 10:55

週間相場見通し:戻り基調か 無料記事

 今週のNY株式市場は、反発基調が続くと思われる。米中貿易摩擦の懸念がひとまず後退したことに加え、主要企業の決算が総じて堅調なことがプラス材料だ。また、中間選挙では上院が共和党、下院が民主党の過半数獲得(=ねじれ議会成立)が予想されているが、市場ではこれを織り込んで下げた経緯もあることから、選挙後はむしろ、あく抜け感が浮上することも考えられる。
 外部環境はやや改善した。トランプ大統領は現地1日に、「習近平主席と電話協議を行った」と表明。翌2日には、「米国と中国が貿易摩擦を解消するための合意に達すると考えており、そうなれば両国に有益だ」と述べた。欧州も政治リスクがやや後退。英国のEU離脱交渉について、英国側が「金融サービス部門に関しEUと暫定合意に達した」と発表するなど、金融市場を取り巻く大きなリスクの芽が一つ摘まれたと言ってよい。
 また、米国国内のファンダメンタルズも悪くない。前述したように、米主要企業の業績は全体として堅調。S&P500構成銘柄の増益率(7〜9月)は26%前後まで上昇している。
 もっとも、不安要因も散見される。中でも、米景気の過熱懸念が再燃している点には要注意。2日発表された10月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数が25万人増となり、市場予想の19万人増を大きく上回った。失業率は49年ぶり低水準の3.7%を維持し、賃金の伸びは9年半ぶりの高水準を記録した。それを受けて、10年債利回りは3.21%と1カ月ぶりの高水準となっている。今週はFOMC(7−8日)が予定され、金利は据え置かれるというのがコンセンサスだが、12月以降の当局による利上げ見通しがどのようなものになるか警戒されるところだ。


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