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2022/07/28 10:01

FRBが2会合連続で0.75%利上げを決定、インフレ抑制姿勢を継続 無料記事

 米連邦準備理事会(FRB)は27日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場予想通り0.75%の利上げを全会一致で決定した。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標を従来の「1.50〜1.75%」から「2.25〜2.50%」に引き上げている。前回の利上げサイクルのピーク(2019年)だった「2.25〜2.50%」と同水準となった。通常(0.25%)の3倍となる0.75%の利上げは、6月の会合から2回連続。インフレ抑制に向けて、急ピッチな利上げを継続した格好だ。
 会合後の声明では、一行目から「最近の支出と生産の指標は軟化した」と指摘する一方、その後に「それにも関わらず、雇用はここ数カ月堅調であり、失業率は低いまま。コロナ禍に絡む需給の不均衡、食料・エネルギー価格の上昇、幅広い値上げ圧力を反映し、インフレは上昇を続けている」と状況を説明した。
 パウエルFRB議長はFOMC後の会見で、米経済状況がこの1カ月であまり変化がなかったと指摘。「現在は労働市場が非常にタイトで、インフレは高すぎる」と改めて強調した。ただ、インフレが2%に戻ることを示す説得力のある証拠を探していると述べた上で、必要な経済活動の減速を示す証拠がいくつかあると指摘している。
 次の9月会合の利上げ幅に関しては、「再び大幅利上げが適切になる可能性があるが、今後得られる統計データ次第だ」と述べ、明言を避けた。引き続き、会合ごとに意思決定を行う方針を示している。また、「金融政策がさらにタイト化するにつれ、政策調整が経済やインフレにどのように影響しているかを評価する間、利上げペースを緩めることが適切になる可能性が高い」と述べ、データ次第で引き締めペースを緩める可能性を認めた。
 インフレ抑制を最優先にした金融引き締めに伴う成長鈍化は、引き続き容認する構え。パウエルFRB議長は「成長を鈍化させる必要がある」と認め、「ある程度の緩み(slack)を生み出すため、潜在成長率を下回る成長が続く期間が必要だと考えている」と説明した。


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