今週のNY株市場は、物価上昇に伴う利上げペース加速が警戒される中で上値の重い値動きが続きそうだ。
　先週発表された5月の米ＣＰＩが前年同月比+8.6％と市場予想（+8.3％）を大きく上回り、40年ぶりの上昇率を記録したため、市場では、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）が積極的に利上げを行うとの観測が強まる状態。6月と7月のFOMCで0.5％ずつの利上げが確実視されているが、足元のインフレ加速を踏まえて「9月以降も0.5％の利上げが続く」、「6月に0.75％の利上げもあり得る」などのタカ派論が浮上している。
金融引き締めペースの加速は、当然ながら景気悪化の不安を強まる。実際、先週末に発表されたミシガン大学の6月消費者態度指数は2カ月連続の低下を強いられ、統計開始以来の最低水準をマークした。一部のエコノミストは、「引き締めが長期化かつ先鋭化すれば、23年のリセッション入りもある」と警鐘を鳴らしている。
こうしたなか、米10年債利回りは再び3.15％台まで上昇。5月9日につけた3.20％台が視野に入った。金利の上昇は、特に高バリュエーション銘柄（ハイテクなど）の逆風になる点に留意したい。


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