2022/02/21 09:26
米国株週間相場見通し:軟調地合い継続か
今週4営業日(21日はプレジデントデーで休場)のNY株式市場は、内憂外患で上値の重い値動きが予想される。
外部環境では、引き続きウクライナ情勢が不安材料だ。ロシア軍の動きを巡っては、撤退や逆に兵力増強など現時点で情報が錯綜する状態。バイデン大統領が「プーチン大統領が侵攻を決断したと確信している」と述べるなど、緊張感が高まり続けている。
一方、米国国内では金融引き締め加速観測がネガティブ材料。先週15日に発表された1月の卸売物価が前年比+9.7%(予想は+9.1%)、前月比+1.0%(同0.5%)と大きく上振れるなか、16日に公表されたFOMC議事録で連続利上げが示唆された。ロシア軍がウクライナへ侵攻した場合でも、FOMCが引き締めスタンスの緩和に転じる可能性は低そうだ。ロシア産原油・天然ガスの供給減でエネルギー価格が一段と上昇する局面では、金融引き締めスタンスが更に強化されることもあり得よう。
市場のセンチメントを表す指標も悪化。恐怖指数と呼ばれるVIX指数は先週、危険水域とされる20ポイントを一貫して上回った。テクニカル面でも厳しい。ナスダック指数の50日移動平均は、200日移動平均を割り込む「デッド・クロス」を形成。20年4月以来のこととなるため、相場調整が長引くとの見方が出ている。
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