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2022/09/16 09:14

アドビが競合フィグマを買収、総額200億ドルで 無料記事

 ソフトウェア大手のアドビ(@ADBE/U)は15日、デザインソフトウェア企業のフィグマ(Figma)を総額200億ドルで買収すると発表した。約100億ドルの現金と100億ドル相当の株式を支払う。規制当局やフィグマ株主の承認を待って、2023年内に手続きを終える予定だ。買収完了後、フィグマ共同創業者兼CEOのディラン・フィールド氏はフィグマのチームを引き続き率い、アドビ・デジタルメディア部門のトップ直属となる。
 CNBCによると、12年創業のフィグマはクラウドべースのソフトウェアを手掛け、ここ数年はアドビの競合企業として台頭していた。安価で無料利用枠がある上、使いやすく、共同作業ができ、モダンなため、大企業や中小企業問わずデザイナーの間で急速に使われるようになっていたという(同社の年間経常収益は2年連続で倍増し、今年に4億ドルを超える見通し)。
 市場では「買収価格が高すぎる」との見解が多い。ハイテク株が好調だった昨年6月の資金調達時点で、フィグマの企業価値が「100億ドル」と評価されていたため。テック業界でリストラの見出しが相次ぐ今年、ハイテク各社のマルチプルが急低下しているにもかかわらず、アドビはフィグマに前年の2倍の値段を付けたことになる。
 アドビ株は15日、前日比16.79%安の309.13ドルと急落して取引を終えた。高額なフィグマ買収を嫌気し、2020年4月以来、約2年半ぶりの安値を更新している。
 なお、アドビは15日、第3四半期(6〜8月)決算も発表(13%増収・6%減益)。調整後・希薄化後EPS(非GAAP)が3.40ドルに上り、市場予想(約3.33ドル)を上回ったものの、ガイダンスがやや低調だった。会社側は第4四半期(9〜11月)の業績について、売上高を約45億2000万ドル、調整後・希薄化後EPS(非GAAP)を約3.50ドルと見込んでいる(市場予想はそれぞれ約46億ドル、約3.47ドル)。


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