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2022/03/07 08:47

米国株大引け概況(詳報):続落、ウクライナ情勢巡る懸念続く 無料記事

 先週末4日のNY株式市場は、地政学リスクが一段と高まるなかで売られる展開。主要指標のダウ平均が前日比179.86ドル(0.53%)安の3万3614.80ドル、ハイテク銘柄を中心に構成されるナスダック総合指数が224.50ポイント(1.66%)安の1万3313.44ポイントとそろって続落して取引を終えた。
 ロシア軍によるウクライナ・ザポリージャ原子力発電所の占拠、原油価格の急騰(↑7%超)などを受け、投資マインドの悪化が続いた。ウクライナ当局が「原発周辺で放射線量の上昇はみられない」と発表したとはいえ、大型原発で火災が発生しているとの報道は投資家心理の悪化に拍車をかけている。「質への逃避」で米国債が買われ、2年債利回りが1.48%(↓0.05ポイント)、10年債利回りが1.73%(↓0.11ポイント)に低下。成長鈍化が警戒されるなか、イールドカーブが一段とフラット化した。
 良好な経済指標は材料視されず。この日発表された2月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比67万8000人増え、市場予想(約42万3000人増)を上回った。平均時給の伸びは前月比横ばいに減速し(市場予想:約0.5%増)、強いインフレ圧力が緩和したことも示唆している。
 セクター別では、S&P500全11業種のうち6業種が下落。大型IT銘柄が含まれる情報技術、コミュニケーション、一般消費財で1%超の下げを記録した。IT大手のマイクロソフト(@MSFT/U)が2.05%安、IT機器大手のアップル(@AAPL/U)が1.84%安、ネット検索大手のアルファベット(@GOOGL/U)が1.63%安、Eコマース大手のアマゾン・ドット・コム(@AMZN/U)が1.53%安と値下がりしている。この日はグロース株への売りも目立ち、「破壊的イノベーション」銘柄への投資で有名なARKイノベーションETF(@ARKK/U)が4.79%安と4日続落した。
 利ザヤの縮小懸念などで金融セクターも安い。ジェイピー・モルガン・チェース(@JPM/U)が2.81%安、クレジットカード大手のアメリカン・エキスプレス(@AXP/U)が3.86%安と値下がりした。
 一方、エネルギーやディフェンシブセクター(公益、ヘルスケア、生活必需品)など5業種は上昇。原油高でエクソンモービル(@XOM/U)が3.76%高、電力大手のデューク エナジー(@DUK/U)が2.55%高、小売大手のウォルマート(@WMT/U)が2.53%高と買われた。


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