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2022/03/30 13:27

米国株2年/10年債利回りで一時「逆イールド」発生、2019年以来 無料記事

 29日のNY債券市場では、イールドカーブ(利回り曲線)の一部で景気後退の予兆とされる「逆イールド」が発生した。米東部時間の午後1時33分ごろ、市場が最も注意を払う2年債利回り・10年債利回りのスプレッドが一時的にマイナスになっている。「逆イールド」の発生は2019年8月以来。最終的に2年債利回りが2.36%(↑0.03ポイント)、10年債利回りが2.39%(↓0.07ポイント)で終わったものの、利回り曲線のフラット化が一段と進んでいる。今月に入り、18日に3年/5年債利回り、28日に5年/30年債利回りが逆イールドとなっていた。
 債券市場が健全な場合、満期までの期間が長い債券の利回りが高くなることが一般的だ(例えば通常は10年債利回りは1年債利回りより高くなる)。ただ、債券の利回りと償還期間との相関性を示した利回り曲線が反転(逆イールド)すると景気後退の予兆とされ、1969年以降過去8回の景気後退期を予告した実績がある。
 ただ、一部の専門家からは、「逆イールド」による予見性が過去より落ちているとの見方が出ている。米連邦準備制度理事会(FRB)や他の中央銀行が(過去と異なり)非常に多くの米国債を購入していることが長期債利回りを抑制しているためだ。「FRB購入分を除けば、長期債スプレッドは0.50〜1.00%ほど底上げされるため、単純な比較はフェアではない」という。このほか、景気後退が実現する場合でもすぐに起こるわけではなく、「逆イールド」の発生から景気後退に至るまで平均で17カ月前後かかるとの指摘もあり、さらに多くの証拠が必要との見方もある。


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