2021/09/06 10:40
米国株週間相場見通し:下値の固い展開か
今週のNY株式市場は、早期テーパリング観測の後退を受けて全体として底堅い値動きとなろう。同観測が薄らいだのは、雇用統計の下振れなどが要因。先週末に発表された8月の非農業部門雇用者数は23万5000人にとどまり、市場予想の73万3000人を大きく下回った。これにより、「9月のFOMCでテーパリングが宣言される可能性はほぼなくなった」と期待された格好だ。
もっとも、(雇用統計が下振れたとはいえ)景気悪化の観測が一気に広がる流れにもなっていない。雇用者数とあわせて発表された他のデータで、就業環境の改善が認められるためだ(平均時給が上昇し、失業率が低下)。10年債利回りが予想外に上昇したのも、それを裏付けているといえよう。
こうしたなかにあって、先週末のNY株式市場ではダウが売られる一方、ナスダックが高値を更新した。米景気の中長期的な回復基調が変わらないという前提の下で、景況感が改善すればダウが買われ、悪化すればテーパリング先送り観測を受けてナスダックが買われるといった「良いとこ取り」の相場地合いになっていると言えよう。
もっとも、積極的に上値を追う展開も期待しにくい。雇用者数の伸び鈍化がデルタ株の影響によるものと考えられるため、コロナの動向を注視しながら景気の足腰を見極めたいとの慎重スタンスもみられよう。したがって、テーパリング開始時期の見通しを巡って、23日のFOMCをにらみつつ、今まで以上に経済指標の動向に一喜一憂する展開が続くと考えられる。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
もっとも、(雇用統計が下振れたとはいえ)景気悪化の観測が一気に広がる流れにもなっていない。雇用者数とあわせて発表された他のデータで、就業環境の改善が認められるためだ(平均時給が上昇し、失業率が低下)。10年債利回りが予想外に上昇したのも、それを裏付けているといえよう。
こうしたなかにあって、先週末のNY株式市場ではダウが売られる一方、ナスダックが高値を更新した。米景気の中長期的な回復基調が変わらないという前提の下で、景況感が改善すればダウが買われ、悪化すればテーパリング先送り観測を受けてナスダックが買われるといった「良いとこ取り」の相場地合いになっていると言えよう。
もっとも、積極的に上値を追う展開も期待しにくい。雇用者数の伸び鈍化がデルタ株の影響によるものと考えられるため、コロナの動向を注視しながら景気の足腰を見極めたいとの慎重スタンスもみられよう。したがって、テーパリング開始時期の見通しを巡って、23日のFOMCをにらみつつ、今まで以上に経済指標の動向に一喜一憂する展開が続くと考えられる。
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