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2022/08/10 12:19

通期予想売上の半減でノババックス30%安、コロナワクチンブームが終焉 無料記事

 9日のNY株式市場では、バイオテクノロジー企業のノババックス(@NVAX/U)が前日比29.64%安の40.28ドルと急落して取引を終えた。新型コロナワクチンの需要縮小とそれに伴う業績見通しの悪化が嫌気されている。
 前日引け後に発表された第2四半期(4〜6月)決算は前年同期比で38%減収・赤字拡大という結果で、売上高実績(1億8592万ドル)が市場予想(約9億7450万ドル)を大きく下回った。また、22年通期の売上高予想を半分以下(40〜50億ドル→20億〜23億ドル)に引き下げている。
 スタンリー・エルク最高経営責任者(CEO)はウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、「新たなガイダンスは、新型コロナワクチンの予想外の需要不足を踏まえたもの」とコメント。「他社製ワクチンの供給が過剰になっているため、国際的なワクチン供給イニシアチブ『COVAX』がノババックス製ワクチン3億5000万回分の注文を撤回した」と説明している。また、米政府がノババックスのワクチン1億1000万回分の購入権を持つ米国についても、需要の見通しが不透明であることを認めた。
 バロンズ誌によると、ファイザー(@PFE/U)やモデルナ(@MRNA/U)など主要ワクチンメーカーの新型コロナワクチン売上高は、減少していく見通し。主要アナリストの予想によると、新型コロナワクチンの売上規模は22年から23年にかけて、ほぼ半減する見込み。新型コロナワクチンで稼いだ資金に関しては、ファイザーが相次ぐM&Aに投じる一方、モデルナが新薬開発や自社株買いに費やしているという。


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