18日のNY株式市場では、炭化ケイ素（SiC）ベースのパワー半導体などを手掛けるウルフスピード(@WOLF/U)が前日比31.86％高の112.94ドルと急騰して取引を終えた。足元の業績好調が刺激材料だ。
　前日引け後に発表された第4四半期（4〜6月）決算は、売上高が前年同期比56.72％増の2億2850万ドルに拡大する一方、純損益が3240万ドルの黒字に転換するという結果（前年同期は1億4760万ドルの赤字）。売上高、調整後希薄化後EPS（非GAAP、マイナス0.02ドル）ともに市場予想（それぞれ約2億792万ドル、約マイナス0.10ドル）を上回った。粗利益率は34.5％（↑4.5ポイント）に上向いている。
　会社側はガイダンスでも「損失が小幅に抑えられる」と想定。23年度・第1四半期（7〜9月）の業績について、売上高を2億3250万〜2億4750万ドル、調整後希薄化後EPS（非GAAP）をマイナス0.08〜マイナス0.02ドルと予想した。中間値（それぞれ2億4000万ドル、マイナス0.05ドル）はともに市場予想（それぞれ約2億2580万ドル、約マイナス0.075ドル）を上回っている。
　ブローカーの間では、好決算と受け止める向きが多い。例えばパイパー・サンドラーは「オーバーウエイト」の投資判断、130ドルの目標株価を維持した。生産能力の引き上げペースが想定より速く、パワー半導体の需要拡大トレンドが追い風になるとみている。
　ウルフスピードは電気自動車(EV)などに使われる炭化ケイ素（SiC）や窒化ガリウム（GaN）をベースとするパワー半導体、RF半導体などを手がける。以前は発光ダイオード（LED）製品事業などを主力としていたが、関連を相次ぎ売却し、21年10月に「クリー」から「ウルフスピード」に社名を変更した。足元は増産基調。22年4月にNY州に新工場「Mohawk Valley Fab（完全自動化された200mmSiCウェハー工場）」を開設し、試験生産を続けている（23年度末までに製品出荷開始を予定）。


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