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2022/05/10 08:41

米国株大引け概況(詳報): 大幅に3日続落、リスクオフが加速 無料記事

 週明け9日のNY株式市場は、リスクオフの動きが加速するなかでグロース株を中心に幅広く売られる展開。主要指標のダウ平均が前日比653.67ドル(1.99%)安の3万2245.70ドル、ハイテク株を中心に構成されるナスダック総合指数が521.41ポイント(4.29%)安の1万1623.25ポイントとそろって急落し、ともに3日続落で取引を終えた。機関投資家がベンチマークとするS&P500指数も132.10ポイント(3.20%)安の3991.24ポイントと売られ(4000の大台割れは21年3月以来)、主要3指数が軒並み年初来安値を更新している。
 成長減速やスタグフレーションなどの懸念が依然としてくすぶるなか、投資家心理が急速に悪化した(VIX指数は34台まで上昇)。ロシア・ウクライナ紛争に伴うインフレ、金利の上昇、中国の都市封鎖(ロックダウン)などの逆風が米企業の成長減速につながると懸念されている。中国では上海市のロックダウン解除のめどが立っていない上、中国税関総署が9日発表した4月貿易統計では輸出が前年同月比3.9%増(3月:14.7%増)と失速した。「サウジアラビアがアジア向け原油を4カ月ぶりに値下げした」との報道もあり、中国需要縮小の余波が警戒されている。
 セクター別では、S&P500全11業種のうち10業種が下落(生活必需品のみ上昇)。なかでも原油先物の急落(6%安)でエネルギーが約8%安と売り込まれたほか、大型ハイテク株が含まれる一般消費財、情報技術がともに4%前後の急落を強いられた。電気自動車大手のテスラ(@TSLA/U)が9.07%安、EC大手のアマゾン・ドット・コム(@AMZN/U)が5.21%安、GPU大手のエヌビディア(@NVDA/U)が9.24%安と値を下げている。引き続きグロース株への売り圧力も強く、コスト削減計画が報じられた配車サービス大手のウーバー・テクノロジーズ(@UBER/U)が11.58%安、期待外れのガイダンスを発表したビッグデータ分析大手パランティア・テクノロジーズ(@PLTR/U)が21.31%安と急落した。
 一方、相対的に安全とされる米国債は買い優勢に転換。長期金利を代表する10年債利回りは一時3.20%まで上昇したが、(米国債が買われたため)その後に3.03%(↓0.10ポイント)へ下がっている。


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