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2022/01/05 09:32

中国IT大手のテンセント、ネット通販シーの一部保有株を売却 無料記事

 東南アジアのネット通販最大手のシー(@SE/U)について、2位株主の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が4日に保有株の一部を売却した。複数外電が4〜5日付で伝えたもの。約1450万株を1株当たり208ドルで売却し、30億ドル超を現金化している。売却価格は売り出しレンジ(208〜212ドル)の下限で、3日終値(223.31ドル)を6.85%下回る水準。出資比率は21.3→18.7%(↓2.6ポイント)に低下した。
 追加売却も懸念されているが、テンセント側は「保有するシー株の大部分を長期保有する方針」とコメントした(保有するシー株について、今後6カ月間のロックアップに同意済み)。今回の売却については「他の投資や社会プロジェクトに資金を投じるため」と説明している。
 今回のテンセントの動きは、先月に「特別中間配当として、保有する京東集団(JDドットコム:9618/HK、@JD/U)の株式164億ドル相当を分配する」と発表したことに続くもの。京東に対するテンセントの出資比率が17.0→2.3%に低下したため、市場関係者の間では「中国当局がネット企業に対する『独占禁止』の取り組みを強化する中、テンセントは京東への出資比率を引き下げることで、当局の締め付けをかわす狙い」との見方が浮上していた。
 なお、シーの発表によると、テンセントは保有するシー・クラスB株(多議決権株式)を全てA株に転換することを決定。これにより、創業者のフォレスト・リー会長兼CEOが発行済みクラスB株全てを保有することになる。また、クラスB株の議決権を3→15票に増やすことも提案中だ(同変更は2月14日の年次株主総会で株主の承認が必要になる)。
 4日のNY株式市場では、シーADRが前日比11.41%安の197.84ドルと急落して取引を終えた。


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