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2021/12/13 10:26

米国株週間相場見通し:底堅い値動きか 無料記事

 今週のNY株式市場は、金融引き締めペースの加速がほぼ織り込まれたことで下値の固い展開になりそうだ。
 今週予定されるFOMCについては、特段のネガティブ・サプライズがないとの見方が強まりつつある。先週末に発表された11月のCPIが前年同月比+6.8%(市場予想:+6.8%)と高水準だったものの、「すでに織り込まれている以上の引き締めペースの加速はない」と受け止められたためだ。
 こうしたなか、先週末の市場センチメントは予想外に好転。10年債利回りが1.50%を下回る水準で推移し、S&P500指数は過去最高値を更新する流れとなった。よほどタカ派的なコメントがFOMCで飛び出さない限り、センチメントが急速に冷え込むことはなさそうだ。
 また、オミクロン不安が沈静化しはじめた点もプラス。予断を許さないものの、「感染力は強いが毒性は低い」との見方が大勢を占めつつある。もともと、ワクチン普及率の上昇や治療薬の開発などもあり、新型コロナが20年春ほどのパニックをもたらすことはあり得ないとみられ、これも想定を超えるネガティブな新事実が発見されない限り、市場の下押し要因にはなりにくい。
 もっとも、バリュエーション面で割高感が強まってきたため、上値をどんどん追う流れも想定しにくい。また、米中対立の激化にも注意を要する。米当局による中国企業への投資制限や、北京オリンピックの外交的ボイコットを受けて、中国が強く反発する可能性があるためだ(双方の経済制裁合戦に発展した場合は厄介)。


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